先に言いたいことだけ書いておこうと思う。
・コインは時間をかけて値上がりするのではなく、一夜にして値段が変わる
(誰かが高値で取引した時点で新たな基準価格が形成される)
・価格変動する要因が乏しいコインの価格は据え置かれ続ける
(世の中のインフレによる基準価格の変動は例外)
そしてコイン投資では「儲ける」ではなく「保全する」というのが健全な考えではなかろうか?
という考えをまとめてみた記事である。
ここ最近のアンティークコインの値上がりは確かにスゴいが、値上がりをするのが当たり前になりすぎて驚くことはなくなった。
イギリスコイン(特にウナライオン、ゴチッククラウンを始め、大型金貨や銀貨、試鋳貨幣)の値上がりは目を見張るものがあり、この価格はもう異常ではないのか?と思うほどだ。
この業界を素人目で10年以上見てきたが、大きく潮目が変わったなと感じたのが12年~13年と21~22年にかけての時期だと思う。
潮目が変わったというのは、コインの基準価格が高騰したことを意味する。
この業界の大きな変化点の1つは、12年に加治将一氏の「カネはアンティークコインにぶち込め」という本が出版されたことだ。
当時この本が出版された時は衝撃を受けた。
なぜならアンティークコイン本は当時日本では存在しなかったからである。
この本が出版されてから新興コイン商やコレクター、コイン投資家がポツポツと増えてきた。
それに翌年の13年は自民党が政権を奪還し、アベノミクスなる政策を実施したことも相まってコイン価格も押し上げられた。
特に印象に残っているのが、ヤングエリザベスの5ポンド金貨、ナポレオン3世の100フラン金貨を始め当時約25~40万円程度で購入できていたコインが短期間で異常高騰したことだ。
価格が約2~3倍で売られており、新興コイン商が海外で安値で買い漁り日本で高値販売していたが、それを苦々しく見ていたのは今でも覚えている。
この異常価格もしばらくしたら元の値段付近まで落ち着いてきたが、いつの間にか異常価格が基準価格になってしまっている。(最新価格は更に高騰しているのも見られるが‥)
反対に不人気なコインは全くといっていいほど価格が変わらなかった。(特にアジアのコイン)
最近ではアジアのコインにも日の光が当たって評価されているのを見ると嬉しく感じる。
そして21~22年にかけての変化点は新型コロナウィルス、ロシアウクライナ戦争による影響である。
コチラはもはや説明は不要ではないだろうか?
将来の金融不安、物不足からアンティークコインの奪い合いになってしまっている。
何が言いたいかと言うと、マクロ的に見たらコインの価格変動の大きな理由は「世の中の情勢によるものが大きい」ということである。
裏を返せば、世の中が平和な時やデフレの時ほど大幅な価格変動は起こりにくいのである。
その上でミクロ的に見たら発行枚数という制限やコレクターの参戦がある為、価格が下がりにくいし、人気のデザイン、希少価値のあるコイン、保管状態の良いコインを買うと将来的に価格が高騰しやすい特性がある。
上記のことから、アンティークコインに投資する人は「儲ける」ということはあまり考えない方がよいのではないだろうか?
資産保全できた上、結果として儲かったと言えれば上出来だと私個人的には思う。
もちろんコレクションしたいコインを持ち続けるというのも趣味の要素が強い為、コチラの目的でもうまくいくと思う。
私は他にも株、不動産、オフショア投資、仮想通貨取引をやったことはあるが、1番精神衛生上負担が少なく、安定した収益を取れているのはアンティークコインだ。
購入する物、購入先、売却時期、売却先を間違わなければアンティークコインは将来的に最高の1手になることは間違いないので、細々と気長に続けていこうと思う。
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